「バンカラ」は略して「バカ」でいいんじゃなかろうか?

いささか旧聞に属する話ではあるが、五月三十一日地元紙によると、「シメの文化」をもって尊しとなす高等学校内での仕打ちにより、精神的苦痛を受け、退学に追い込まれた生徒の県に対する行政訴訟が棄却された件である。地裁は「自己意思によるもの」として棄却されたが、両親は「いつになれば子どもの人権は守れるのか。本当に悲しい」「世間の常識から考えたら野蛮な行為を伝統とするのは間違っている」と語り、控訴するという。
「自己責任」とはいうが、周囲を異様な人物に囲まれた状況での「自己決定」というものは「空気読め」というような逆らい難い状況にあると思われるし、こういう因習が二十一世紀、敗戦七十年以上経過しても残存しているのは異常である。救い難いのはこういう学校が地元ではステータス高い進学校らしいという点である。それゆえに旗本奴がごとく振る舞う人間が内部にいたり、外でも他社に対してそういう態度で接する人間がいるのだろう。この学校出身のさる野球の監督は体罰で有名だったというし、私自身もこの手の学校出身者にひどい目に遭わされてきたから。
「卒業や退職まで我慢」ではなく、おかしいもの、合わないものに意見できる社会は遠い。